東京財団×共存の森ネットワーク 被災地の聞き書き101

暮らしを語り、想いをつなぐ。

お問い合わせ

人生は山あり谷あり。

死ぬまでにプラスマイナスゼロになってりゃいい。

003-top
  • 話し手: 釜石稔さん
  • 聞き手: 福島空
  • 聞いた日: 2011年7月9日
  • 003/101
ページ:6

復興までの壁、「規制」

自宅はほら日本建築で、私の家は高床式だから。下にはほら瓦礫は入ったっけども、うちには一滴も入んねんだよ。んだから、全然援助の対象外だ。自宅のさ石垣もブロックも、あどは付属の建物もやられたけど。とにかく住んでるとこが1階が浸水すれば、半壊。あどは2階がいわゆる全壊とかね。もちろん1階建てが1階であれば全壊。そして、あくまでも住居に関してだけ、出しますからって言われて、そういう商売の物とか付属の建物は出せないっていわれてさ。だから、われわれは一銭もハ。行政から見放されたような形。ま、べつに金くれじゃねけどさ、けなくてもいから、けね人には規制かけんなっての。だって生活するためにはさ、もらった人どかはそやって生きていけっけども。俺はもう収入がねんだから生きていけねんだからさ。だから自力で復活するほかねんだ。だけど、いっぱひとからげに、津波が到達したところまでは、新たに建物を建てるのはご遠慮下さいって。

おそらく堤防は最終的には20年はかかっと思うね。元のか元よりは高くしなきゃなんね。

その前に、国道の一番低いどこ1m30cmに上げて、水平にそれで盛ってく。そして、それより水平よりともかく50cmでも1m以上でも高く盛った人にはさ、民間もさ、建築許可を許した方がいい気がするけどな。そうでなきゃさ、いつまでも、いつまでも進まねんだっけ。早くあれだな具体的な数字だされるとこっちゃやりやすいんだっけな。規制するならさ、3年はだめだけど、いつになったら解除するんだかさ。

自分はたとえば今ここで、タダでないわけだ、ものすごい金使って本格的なスタンドに直そうとしたけど、もし直した後にさ、国道が1m30cmも上げられたら、もう。全面的にまたやり直すとなったら大変な話。いまさらこの歳で商売替えも無いしさ。

我々営業再開のために一応直したけどもさ。ここまではいんだけど、これよりやると、あと本格的なスタイルになる。2月に施行された法律に基づいたスタイルでやるんだ、そうなれば生半可じゃないわけだ。その間2重ローンになってもさ、いざ始めようとしたとき、国は国道は2m上げます3m上げます、堤防は20年後に完成です、って言われたら話になんない。だから数字でさ。お金の援助はもういいが、こっちも諦めたからさ。

 

【プロフィール】

話し手: 釜石稔さん

大学時代を東京で過ごした以外は、吉里吉里生まれの吉里吉里育ち。大学卒業後、故郷に戻りガソリンスタンドを経営。震災がきっかけとなり、仙台に出ていた息子さんが今秋からガソリンスタンドを継ぐ形となる。

聞き手: 福島空

東京農業大学農山村支援センター 学術研究員

 



■ 岩手県大槌町吉里吉里

岩手県上閉伊郡大槌町吉里吉里
「聞き書き」とは 詳細はこちら 一覧はこちら