東京財団×共存の森ネットワーク 被災地の聞き書き101

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避難所のお世話役・藤本俊明さん

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  • 話し手: 藤本俊明さん
  • 聞き手: 森山紗也子
  • 聞いた日: 2011年7月9日
  • 011/101

今は避難所のお手伝いしています

 藤本俊明(ふじもととしあき)です。昭和24年の9月28日、吉里吉里生まれ。今年62歳になる。自宅には私、家内、母親、あと娘。息子は結婚してるので、別に暮らしている。

 家が代々天照御祖神社(あまてらすみおやじんじゃ)の宮司。大学卒業後2年ばっかり盛岡の民間企業にいた。その後、役場に入り35年つとめて、去年退職しました。

 父は8年前に亡くなった。役場を退職したので、神社のほうに専念しようかなあと思ったら、今年こんなんなったでしょ。それで役場に勤めていた関係上、震災の3月11日からずっと避難所のお世話係している。家はね3丁目で、被害は床上浸水の半壊。今は家を直しつつ避難所の方に行っている。避難所にはいろんな人が来るでしょ。お医者さんや保健師さんが来たり、自衛隊の物資が来たり。最近では網戸とかハエ捕りリボンとか衛生管理もする。

 

みんな参加の神社の祭り

 天照御祖神社は江戸時代前半からある神社。社殿の壁にヒビ入ってて、下の鳥居が倒壊した。はやく本来の神社の仕事をやんなきゃなんないとなあって。うちの場合、氏子は約720。吉里吉里のほとんどが氏子です。

藤本さんの神社で祭りを楽しむ住民

 祭りはね、8月の17日に例祭やって、第4日曜日に神幸祭ってあって、お神輿さん、鹿子(しし)踊り、大神楽、虎舞(とらまい)とか。それと女の人たちの踊りだとかが町内を練り歩くんですよ。みんな一緒に。だから見る人より参加する人が多い。鹿子踊りとか大神楽とか虎舞は、江戸の中期あたりから営々と受け継がれてきた郷土芸能なの。小さい子は練習を重ねてきて小学校の運動会や中学校の発表会でちょっと発表したりする。だから後継者育成はあまり心配ない。それで夏のお祭りやって、そこに全部エネルギーを使う。

 他にも観月祭や勤労感謝祭なんかあるけど、今年の祭りは例祭だけ。瓦礫のなかでね、まだ仮設に入って落ち着かないときなので、大変なときです。だからお宮で震災早く復興するように祈願して、あとは来年に向けて一歩ずつ前に進むことだと思います。

 

気心知れてるうちらの世代

 ここは小中学校がひとつなんでね。同学年は90人くらい。ここでちっちゃいときからずっと一緒に遊んで気心知れてるでしょ。海で遊ぼうが山で遊ぼうが畑で遊ぼうが結構遊びがあったからね。小学校の高学年あたりでテレビがぼちぼち入り始めた。

 昔はね、半漁半農が多かったんだ、ま、漁業が主だけどね。戦中戦後は釜石製鉄所に勤めるような人が多くなった。その後、釜鉄(釜石製鉄所)の合理化で、多くの人が東京や名古屋方面に転勤して、高校の同級生も卒業時には一クラス分ぐらい減っていた。私どもの同級生も製鉄所関係に勤めた人が多い。ただ、一番人数が多い世代だから、残ってる人も多い。

 



■ 岩手県大槌町吉里吉里

岩手県上閉伊郡大槌町吉里吉里
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