東京財団×共存の森ネットワーク 被災地の聞き書き101

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地域でつないで乗りきっていこう!

避難所のお世話役・藤本俊明さん

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  • 話し手: 藤本俊明さん
  • 聞き手: 森山紗也子
  • 聞いた日: 2011年7月9日
  • 011/101
ページ:3

地域も人も、バトンをつなぐリレーなんだ

 吉里吉里の町内会は若い人が中心だったんですよ。1丁目から4丁目まで5つ町内会がある。早い人はね40代で町内会長してるかな。動ける町内会長。われわれの代が一番層が厚い年代なんですよ。そうするとね、40代とかで町内会長やPTA会長やる人とか結構多い。おいって声かければ、集まってくる。だから避難所生活でも、いろんなことを解決するにはそれぞれ誰にお願いすればいいか大体わかるんだよ。そういうネットワークは町内会やPTAで培ってきたの。いろいろな団体が上手に絡み合って、それがコミュニティをうまくしてるのかなあと思うけど。だけど今の20?30代とかは人数も少ないし、これから大変だろうと思う。

 次の代にどんどん引き継いでいかねば。復興計画も作るのは誰でも参加できるんですよ。でも、作ったものを実行するには2?3年でできるものもあるけど、ものによっては10年以上かかる。で、10年以上かかるものについては引き継いで。バトン受ける人がいなければ困るしね。

 漁業の場合でも後継者だね。後継者って言えばリレーでバトン受ける次のランナーでしょ。バトン渡そうと思ったら次のランナーがいない。そうすればそこで止まってしまう。職業とか地域とか連綿と続くものはね、やっぱりバトンを渡さないといけないと思う。地域を引き継ぐって場合には、一人じゃ限界があるでしょ。マラソンの42.195キロ走るっていう一人だけの頑張りじゃだめなんですよ。バトンを引き渡すことによって、次のランナーが走る。で、次の人が受けてくれるっていうのがあるから走れる。引き継いでくれる人がないと非常にガクッと来る。職業によってはどうしても引き継いでもらいたい職業もありますよね。地域に根ざしている職業はやっぱり継いでほしい。そうなればね、われわれの世代も次の走者が走ってるのを見届けるっていう余裕のある状態でバトンを渡さないといけない。上手にリレーしていくべき。この美しい自然とか、震災でがんばってきた、難局を乗り越えてきた地域の歴史は引き継ぎたい。

 

乗り越えていこう!

 震災直後、役場庁舎前にいた職員30数名が犠牲になったことを聞き、同僚の顔が浮かんできて、大きな悲しみと衝撃を受けました。

 この震災で90人ちかくが亡くなったんだけども、明治の津波で大槌町で600人が亡くなって、そのうちの300人くらいが吉里吉里で亡くなった。私のうちも6人亡くなっている。昔は、仮設住宅も携帯電話もパソコンもない時代にがんばってきた。今はいろんな物資もボランティアも来る。仮設には冷蔵庫や洗濯機、日用品とかも用意してくれるから一応は安心。でも、仮設住宅での生活は2?3年と続くので精神的なこと、健康面で心配されることが多く出てくると思う。その対策を、みんなで考えていきたい。そして仮設住宅から出て、早く新たな生活が再建できるよう、願っています。

 

【プロフィール】

話し手:藤本俊明さん

昭和24年(1959年)吉里吉里地区にある天照御祖神社の宮司の家に生れる。大槌町役場を退職した後、宮司の仕事を引き継ぐ。震災後は避難所のお世話役を務める。

聞き手:森山紗也子

特定非営利活動法人共存の森ネットワーク 事務局

 



■ 岩手県大槌町吉里吉里

岩手県上閉伊郡大槌町吉里吉里
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