東京財団×共存の森ネットワーク 被災地の聞き書き101

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町の電気屋さん

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  • 話し手: 佐々木拓雄さん
  • 聞き手: 清水桜子
  • 聞いた日: 2011年9月23日
  • 044/101
ページ:3

現在の仕事

 震災後の最初の仕事は慰霊祭でした。もう5、6回ぐらい慰霊祭をやりました。町内の合同慰霊祭も全部やりました。お金にはならないけど、まぁ皆のためならね。ボランティアで。息子は宮城県の方に行って、気仙沼とかそういう所で慰霊祭をしました。息子と二手に分かれて。自分の身を削りながらボランティアをしてる。でもお金はないんだけどって頼まれたら、まぁ良いよって言うしかない。頼んでくる人みんな知ってる人ばっかでしょ、やんなきゃいけないからね。まぁ、断れば良いんだけどもね。息子にもやめろって怒られるんだけど。でもね、無理するんですよ。みんなはもっと無理してるから。俺は弱いから出来ないだけで、皆もっともっとやってるはずだから、それを思えばね楽な方だね。

 

子ども達の帰路に街灯を

 今プレハブを作って倉庫代わりにしてるんだけど、そこの道は子ども達が学校から帰ってくる途中なのさ。秋とかになってくると、子ども達の帰宅の時間には暗くなってくるんですよ、街灯がないから。真っ暗ですもんね。電気が通るから、せめて通学路に街灯付けてくれても良いのに。でも行政待ったって街灯付けてくれないし。仕方ないから、行政が居ないと考えて、誰かがやんなきゃ誰もやらないから。だからプレハブに明かりを付けて、夜7時ぐらいまではいつもそこに居るようにしてる。やっぱり自分で付けるしかないなと思って。他に大きいことはやれないから。

 プレハブにはトイレも置いてる。駅のトイレも使えないから、子供たちも帰りに使って良いようにしてあるから声かけるから。「使って良いからね」って。

 

正確に残してほしい

 これからどうなるか分からないけど、フリーでとにかくお願いされた所に行く。出来るところまでやって、死ぬのを待つしかない。死ぬなら元の地で死にたいなって思う。元の場所で。仮設とかでは死にたくないなって思う。自分の家じゃないもんね。慰霊祭重なって泣くのばっか見ると、最初の頃は泣くのは嫌だったけど、今はだんだんに、やっぱ考えさせられるね。最初はもう涙も出なかったけど。大変だったから、事務的になってしまって、自分のことでいっぱいだったから、周りまで気が回らないと言うか。最近はなんか、考えます。あんまそういう話は周りとはしないですね。ま、楽天家だから、一生楽天的に暮らそうかと思います。今回の震災の記録を、とにかく将来の為に正確に残してほしい。大きい地震が来たらとにかく逃げること。とにかく高いところへと。

 

【プロフィール】

話し手:佐々木拓雄さん

子供の頃からアンプスピーカーやマイクを作るほど、機械をいじるのが好きだった。18歳から無線屋さんにて勤務。30歳になり念願の電気屋「ササキデンキ」を開業する。主に修理や学校などでのイベントの音響を請け負っている。

聞き手:清水桜子

大学生

 



■ 岩手県大槌町吉里吉里

岩手県上閉伊郡大槌町吉里吉里
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